【伝え方】”結論から伝える” は正しいのか考えてみる
こんにちは。
仕事をしていて、よく「結論から伝えよう」と聞きませんか?
でも、これって本当に必ず正しいのか疑問もあると思っています。
今回はそんな話をしていきます。
前職のころ、わたしはモノづくりの世界でライン設計の仕事をしていました。
そこでは現場製造の方々と打ち合わせがあり、新製品を作るために「こういう製造ラインを計画をしています」と説明します。
そして製造から要望をヒアリングして擦り合わせながらプロジェクトを進めていきます。
同じプロジェクトをしていた先輩が、製造のリーダー級の方(もちろん目上)と打ち合わせしたときに事件は起こりました。
「いやそれ無理です」と結論から伝える
一通りこちらの前提や計画内容を説明して、製造さんからの要望を聞きました。
そのときに「今のラインでここやり辛いから、こういう風にして欲しいんだけど」と製造さんから要望を言われた瞬間、
「いやそれ無理です。費用対効果出ないし。そもそも日程も無理です。」
と先輩が即答しました。
相手が怒ってしまう
その直後に製造さんが怒ってしまいました。
「いやずっと前から直して欲しいって要望出してるわ!やれる方法があるかもしれないだろ!」
先輩もヒートして「いや色んな方法検討したうえで”無理”って言ってるんですよ!」と反論。
議事録取ってたわたしはひたすら傍観するしかありませんでした。
他の言い方はなかったのか
その後、わたしが製造さんと交渉して、落しどころを合意する形になりました。
ただそのときに製造さんから「やれないならやれないで仕方ないけど、あいつの言い方もうちょいあるよな」と言われました。
それはそうかも、と思いました。
でも、先輩は「結論」からしっかり話していましたし、内容も間違っていませんでした。
そうすると、他に言い方があるとしたらどんな言い方だったのでしょうか?
(そもそもの言葉遣いは一旦置いておきます)
「結論から」では相手の心は動かない
みなさんは ”ゴールデン・サークル" という言葉を聞いたことがありますか?
これはアメリカ人作家のサイモン・シネックさんという方が提唱した”人の心を動かす説明方法” の理論です。
詳しくは下記の動画を観て欲しいです。
しかしざっくり言うと、”人の心を動かす説明は順番が逆” だということです。
人の心を動かす説明は順番が逆
通常の "結論から伝える説明" では、
【結論から伝える説明】
What(結論)→How(方法)→Why(理由)
という順番で話します。
しかし "人の心を動かす説明" は、
【人の心を動かす説明】
Why(理由)→How(方法)→What(結論)
What と Why の順番が逆です。
これがポイントです。
お手本はApple
この良い例がAppleのプレゼンです。
スティーブ・ジョブズが iPhone の発表したプレゼンは「今日、Appleは携帯を再発明する」と伝え、明らかにみんながワクワクしました。
しかし、もしこのプレゼンが、
「今日iPhoneという新商品を発表します。これは、タッチスクリーンで様々なアプリを操作できます。これは携帯の再発明です」
と伝えたら、何だか淡々としますよね。
つまり「 "結論から伝える" のは、時間は短縮できても相手に淡々とした印象を与えるよ」ということです。
報告は「結論」からでもいいが「説得」はそうとも限らない
今回の "ゴールデン・サークル" の理論や、先輩の話を踏まえて、「結論から伝える」というのは時と場合によると分かりました。
毎回ダメだなんてことは勿論なく、上司や部下への報連相は基本「結論から伝える」べきです。
その方が情報を素早くキャッチ可能です。
しかし、それがお客さんや関係部署への「説得」であれば話は別です。
つまり「目的に合わせて説明の仕方は変えるべきだ」ということです。
さいごに
今回は、自分が実際に仕事で遭遇した経験とゴールデン・サークル理論が一致した例を紹介しました。
実際にひとの心を動かすのは難しいことです。
それでも、なにか今回の内容が参考になれば嬉しいです。
ではでは、読んでいただきありがとうございました!